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【まとめ】リスティング広告における "Hagakure(はがくれ)"という考え方について ~ 検索編 ~

リスティング広告のアカウント構造を構築する際の重要な考え方として、Google社から推奨されている"Hagakure(はがくれ)"という考え方があります。本章では改めてこの"Hagakure(はがくれ)"という考え方について整理をし、ご紹介していきたいと思います。

 

Hagakureの仕組み

 

1.前提:Adwordsの根本的な仕組みを理解する

まず"Hagakure(はがくれ)"を正しく理解するために、Adwordsの各仕組みの根本になっている考え方を理解する必要があります。その考え方とは、Adwordsから提供されている各機能はすべてユーザーに対して最適なパフォーマンスを返すための仕組みであり、パフォーマンスの良し悪しを判断するためには"判断を正確にするための統計的なデータ量"が必要ということです。

 

 

広告掲載の順位を決める上で重要なAd Rankや品質スコア、またコンバージョンオプティマイザー、拡張CPCなどの自動入札機能、そしてCTRが高い or CVRが高い広告へ露出を寄せていく広告ローテンション機能、外部ネットワークでの値付け管理をするSmart Pricing機能など、広告パフォーマンスを左右するすべての機能の根幹のアルゴリズムはすべて"統計的なデータ量"を必要としている、ということになります。判断するための統計的なデータ量がない = Adwordsという仕組みを十分に使いこなす環境ができていない、ということになるわけです。

 


2."Hagakure(はがくれ)"という考え方とはなにか?

 前章の仕組みを理解した上で、Adwordsにおける理想的なアカウント構造の"型"をGoogle社から提供されていますが、この"型"こそが"Hagakure"というものになります。では"Hagakure"を理解する上で重要なポイントについてご紹介していきたいと思います。

 


2-1. 1Contents = 1Ad Group = 1 Ad 

 

まずアカウント構造を組み立てる上で一番重要なポイントが広告グループをどう組むかということになります。この組み方で推奨されている考え方が、1Contents = 1Ad Group = 1Ad  という考え方です。サイトのコンテンツ毎(サービスや商品毎)に広告を作成し、その広告が1つの広告グループでアカウントに登録されている状況のことを指します。なぜこの考え方が良いのかをもう少し詳しく説明していきたいと思います。

 

広告掲載順位を決める上で最も重要な決定因子はAdRankです。AdRankはその名前通りAd = 広告 に付与されます。そして広告に付与されるAdRankを正しく活用するためには、広告毎にAdwordsが判断するための"統計的なデータ量"が必要になります。このデータ量を広告毎に確保するためには最低でも1,000impが必要とされると言われております。広告を細分化しすぎることでこの最低imp量を確保できなくなることを防ぐためにも、同じ広告 = 同じコンテンツは基本的に1つにまとめましょう = 同じ広告グループにしましょう、ということになるわけです。

 

 

2-2. マッチタイプのキーワードの重複は極力避ける

 

次にマッチタイプの方法ですが、KW毎にすべてのマッチタイプを購入するのではなく極力重複しないことが推奨されています。重複して購入することのデメリットとしては管理するKWが膨大になることです。運用型広告で広告パフォーマンスを上げる上で、ミスなく・素早く施策を展開することが求められますがその意味でもKW数が少ないことは非常にメリットになります。また入札管理をする上でも、同じKWで複数のマッチタイプが存在すると入札コントロールが非常に難しくなるというデメリットも存在します。

 

また品質スコアに加味されるCTRですが、これもクエリと一致した時のCTRのみがカウントされる仕組みなので、KWのCTRが高いマッチタイプの方がAdRankが高くなるというようなことは起こりえないことになります。※部分一致でもフレーズ一致でも、セットされている広告が同じであれば同一クエリの時のCTRは同じはずだと思います。

 

上記を踏まえてメリットサイドがほぼないので、極力KW毎のマッチタイプの重複は避けるべきとなります。※ただし、必要なクエリに対して抜け漏れなく広告を露出させるという意味で、マッチタイプアプローチは非常に重要ですが。

 

2-3. クエリの追加・除外でAdwordsの学習を加速させる

 

最後に上記仕組みを踏まえてよりAdwordsの統計的アプローチにおける最適化精度を高めるために非常に重要なアクションがクエリの追加・除外というアプローチです。クエリを追加・除外することで、品質スコアを計算する対象をコントロールすることが可能になります。クエリを追加する = 学習させるクエリを網羅 (= CTRを向上させる良い部分を追加)でき、クエリを除外する = 学習させたくないクエリを除外(=CTRを下げてしまう悪い部分を除外)することができるからです。当然何もしなくてもある程度Adwords側で最適化はされていきますが、その最適化をより加速させるためにも適切な教師データを意図的に加えることが重要になるわけです。

 

3."Hagakure(はがくれ)" = "Adwords"とどう付き合うべきか?

 
最後に"Hagakure(はがくれ)"を理解した上で、”Hagakure(はがくれ)”とどう付き合うかについて考察を述べたいと思います。"Hagakure(はがくれ)"とは総称であり、根本は"Adwords"のPlatformの仕組みを正しく解釈して伝達されたものです。そしてAdwordsの仕組みの根本が"統計的アプローチ"によるパフォーマンス最適化機能ということになります。私たちがAdwordsを使用する上で、根本の仕組みを無視した誤った使い方は絶対NGです。むしろこの仕組みを最大限活用するためにも、Adwordsに学習させるべきデータに手を加えたり、統計アプローチでは手が届かない領域をサポートしたりすることが重要なのではないでしょうか?仕組みはあくまで仕組みであり完全ではありません。仕組みを理解した上で、その仕組みの中で一番のパフォーマンスを上げる工夫こそが今求められているスキルであり、そこにはまだまだ無限の可能性があると思います。
 
 
 
ShiroKuro

ShiroKuro

インターネット広告の代理店で運用を10年。コンサルティングやオペレーションの仕組み・サービス設計を担当。その後、独立してWebエンジニアへ転身。Webマーケティングのオペレーションエンジンを日々開発中。 #twitter https://twitter.com/ShiroKu93776123